こんにちはだいサワーです^^
前回の国際課税の記事の続きです。同じ出だしとなりますが、
海外の会社等と取引をしたり、海外に進出する場合に気をつけるものとして、大きく以下の4つの税制があります
1 国外関連者との取引に係る課税の特例(移転価格税制・海外寄附金)
2 CFC税制(外国子会社合算税制)
3 過少資本税制
4 過大支払利子税制
今回はこのうちの
2 CFC税制(外国子会社合算税制)
について、どのように判定していくのか超ざっくりご紹介していきます
ちなみにCFCとは、Controlled Foreign Company(外国子会社合算税制)の略です
ちょっと前までは、タックスヘイブン税制と呼ばれていました
タックスヘイブン(租税回避地)という名前が示すとおり、税率が低い国に法人を設立して、租税回避することを言いましたが、現在は、地域ではなく、税率を基準に制度の適用を判断するものとなっているため、このような名称に変更されています
検討フロー
1 租税負担割合30%※未満の外国関係会社となるか?
まずは、内国法人・居住者等が外国法人に出資している場合に、その出資先が、以下にいう「外国関係会社」に該当するかどうかを考えます
外国関係会社とは、
「内国法人等が直接又は間接に50%を超える持分を有する(又は実質支配関係にある)外国法人」です
そもそも、外国関係会社とならなければこれ以降検討する必要がありませんし、その国の租税負担割合が30%※以上であればこれもまた検討する必要はありません(※令和6年4月1日開始事業年度から27%)
2 特定外国関係会社となるか?
次に、以下の点について考えます
1 ペーパー・カンパニーに該当するのか?
(=主に実体基準と管理支配基準のいずれかを満たしているか否か)
いずれも満たしていなければペーパーとなります
2 キャッシュ・ボックスに該当するか?
(=一定の受動的所得が総資産額の30%を超えており、かつ、一定の固定資産の帳簿残高が総資産額の50%を超えるもの等)※ざっくり説明するため、ここの説明は省略します
3 ブラック・リスト国所在法人か?
※現在は考えなくていいです
いずれかに該当すれば、会社単位の合算課税(まとめに記載)となります
3 租税負担割合20%未満かどうか?
上でいう特定外国関係会社に該当せず、租税負担割合20%以上であれば、問題なし終了です
20%未満であれば、下に進みます
4 対象外国関係会社(=経済活動基準のいずれかを満たしていない)となるか?
以下を検討します。経済活動基準とは次の4つです
・実体基準を満たすか?※これは2で検討済となります
実体基準とは、ざっくりいうと、「主たる事業を行うに必要と認められる事務所、店舗、工場その他固定施設はあるか?」です
・事業基準を満たしているか?
事業基準とは、ざっくりいうと『「その地に本店を置いて事業を行う積極的な経済合理性を見出すことが困難な事業」を主たる事業としていないかどうか?』です
・管理支配基準を満たしているか?
管理支配基準とは、「外国関係会社が本店所在地国においてその事業の管理、支配及び運営を自ら行なっているかどうか?」です
・所在地国基準又は非関連者基準を満たしているか?
非関連者基準とは、卸売業や銀行業など「特定の業種」に適用され「その事業を主として外国関係会社に係る関連者以外の者との間で行なっているかどうか?」です
所在地国基準とは、「特定の業種以外の業種」に適用され「その事業を主としてその本店所在地国において行なっているかどうか?」です
いずれかを満たさなければ、会社単位の合算課税(問題あり)となります
5 部分対象外国関係会社となるか?
4の経済活動基準を全て満たしていても、安心できません
部分合算課税の対象となる「特定所得の有無」を検討します
特定所得とは、ざっくりいうと配当や利子などです
・特定所得がないか、あっても、2,000万円以下or所得の5%以下か?
一定金額以上の特定所得があれば、部分合算課税(問題あり)となります
まとめ
制度が適用されると、ざっくり、その外国関係会社の利益(会社単位の合算課税)もしくは特定所得(部分合算課税)に株式の保有割合を掛けた分が内国法人・居住者等の所得に加算されます
今回は、以上です
最後までお読みいただきありがとうございました
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