【税制改正】税制改正のあらまし10年間まとめ

こんにちはダイサワーです^^
今回は、過去10年間(平成27年から令和6年)の税制改正のあらましについてまとめてみることにしました。

・各年における税制改正の大まかな内容が税目毎に分かります(思い出したい時使ってください)
・(自分的に)ポイントとなる部分にマーカーをしています(法人税メインなので偏りあるかも)
※ざっと把握していただくことが目的なので、粗々の説明となっています。予めご了承ください

目次

令和6年度税制改正のあらまし

定額減税の実施と賃上げ促進税制の強化がポイント

法人税関係

・賃上げ促進税制の強化
 賃上げ率要件の緩和、中堅企業の枠組創設、中小企業向けに繰越税額控除制度の創設

・中小企業事業再編投資損失準備金制度の拡充・延長
・戦略国内生産促進税制の創設
・イノベーションボックス税制の創設
・交際費等損金不算入制度の見直し等
 交際費などの範囲から除外される飲食費(1人当たり5千円以下から1万円以下に引上げ)

・中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入特例
・暗号資産の期末時価評価課税に係る見直し
・中小企業倒産防止共済掛金の損金算入制限

国際関係

・外国子会社合算課税の見直し
・子会社株式帳簿価額特例の見直し


所得税関係

・所得税・個人住民税の定額減税の実施
・住宅ローン控除の見直し(子育て世帯等に対する支援措置)
・税制適格ストックオプションの拡充

資産税関係

・法人版及び個人版事業承継税制に係る承継計画の提出期限の延長
・住宅取得等資金に係る贈与税の非課税措置等の見直し・延長

消費税関係

・国外事業者に対する事業者免税点制度の特例の見直し
・簡易課税制度や小規模事業者における税額計算の特例(「2割特例」)の適用除外
・免税事業者等からの課税仕入れに係る経過措置の見直し
・高額特定資産を取得した場合の事業者免税点制度等の制限
・簡易課税制度と小規模事業者における税額計算の特例適用者の経理処理の見直し
・プラットフォーム課税の導入

その他

・外形標準課税の対象法人の見直し
・重加算税適用の拡大

令和5年度税制改正のあらまし

NISAの抜本的拡充・恒久化、グローバル・ミニマム課税の導入等がポイント

法人税関係

・研究開発税制の見直し
・オープンイノベーション促進税制の拡充
・暗号資産に関する時価評価の見直し
・特定の資産の買換え場合等の課税の特例の見直し・届出の義務化
・株式対価M &A税制の見直し

国際課税関係

・グローバル・ミニマム課税の創設
・外国子会社合算税制の見直し(租税負担割合30%→27%など)

所得税関係

・NISA制度の拡充及び恒久化
・スタートアップ企業への再投資に対する非課税措置の創設
・空家に係る譲渡所得の特別控除の特例の延長等
・極めて高い水準の所得に対する負担の適正化

資産税関係

・相続時精算課税制度の見直し(基礎控除(110万円)控除可など)
・暦年贈与における相続前贈与の加算期間等の見直し
・教育資金及び結婚・子育て資金の一括贈与の特例の見直し等

消費税関係

・適格請求書等保存方式に係る見直し(「2割特例」の創設など)

その他

・生産性向上や賃上げに資する中小企業の設備投資に関する固定資産税の特例
・加算税制度の見直し
・車体課税の見直し
・電子帳簿等保存制度

令和4年度税制改正のあらまし

賃上げ促進税制の見直しと住宅ローン控除制度の全面的見直しがポイント

法人税関係

・賃上げ促進税制の見直し(大企業向け)(増加率2%→3%)
・賃上げ促進税制の見直し(中小企業向け)

・特定税額控除規定の不適用措置の見直し
・交際費等の損金不算入制度の延長
・少額の減価償却資産の取得価額算入制度等の見直し
・資本の払戻しに係るみなし配当の額の計算方法の改正
・一定の内国法人が支払いを受ける配当等の見直し
・オープンイノベーション促進税制の拡充

所得税関係

・住宅ローン控除制度の見直し(ローン残高証明書の提出・提示不要など)
・上場株式等に係る配当所得等の課税の特例等の見直し
・上場株式等の配当所得等の課税方式の一本化

資産税関係

・住宅取得資金に係る贈与税の非課税措置の拡充
・特例事業承継税制の見直し

消費税関係

・適格請求書等保存方式に係る見直し(インボイス制度:令和5年10月1日から)

その他

・外形標準課税適用法人に対する法人事業税所得割の税率の見直し
・法人事業税付加価値割の見直し
・土地に係る固定資産税の負担調整措置の見直し
・帳簿の提出がない場合等の過少申告加算税等の加重措置の整備
・記帳義務を適正に履行しない納税者等への対応策
・財産債務調書制度の見直し
・電子取引データ保存制度の宥恕措置

グループ通算制度導入の影響により適用される単体納税制度

・貸倒引当金の対象債権
・寄附金の損金算入限度額
・受取配当等の益金不算入制度
・所得の特別控除

新型コロナウイルスに係る緊急措置

・申告・納付期限の延長
・納税の猶予制度
・その他緊急措置

令和3年度税制改正のあらまし

企業のデジタルトランスフォーメーション及びカーボンニュートラルに向けた投資促進措置の創設がポイント

法人税関係

・中小企業者等の法人税の軽減税率の特例の延長
・中小企業向け投資促進税制等の延長等
・中小企業における所得拡大促進税制の見直し及び延長
・中小企業の経営資源の集約化に資する税制の創設
・中小企業防災・減災投資促進税制の拡充・延長
・デジタルトランスフォーメーション(DX)投資促進税制の創設
 事業適応計画認定要件を満たし、デジタル(D)要件及び企業変革(X)要件について主務大臣から確認を受けると税額控除又は特別償却が可能

・研究開発税制の見直し
・賃上げ及び投資の促進税制に係る税制の見直し(人材確保等促進税制)
 「継続雇用者給与等※支給額」
から
(※適用年度及び前事業年度の期間内の各月においてその法人の給与等の支給を受けた国内雇用者として一定のもの)
→「雇用者給与等※支給額」へ

(※損金の額に参入される国内雇用者に対する給与等の支給額)
・繰越欠損金の控除上限の特例の創設
・自社株式を対価としたM&Aに係る税制上の措置の創設
・カーボンニュートラルに向けた投資促進税制の創設

所得税関係

・退職所得課税の適正化
・住宅ローン控除の特例の見直し
・セルフメディケーション税制の見直し

資産税関係

・非上場株式等に係る相続税の納税猶予の特例制度の見直し
・教育資金、結婚、子育て資金の一括贈与に係る贈与税の非課税措置の見直し及び延長
・住宅取得等資金に係る贈与税の非課税措置の見直し

消費税関係

・課税売上割合に準ずる割合の適用開始時期の見直し
 課税期間末日まで申請し翌日以後1月経過する日までに税務署長の承認を受ければ、申請した課税期間から適用OK

その他

・土地に係る固定資産税等の課税標準額の据置き
・税務関係書類における押印義務の見直し
・電子帳簿等保存制度の見直し(税務署長による事前承認の廃止など)
・車体課税の見直し
・地方税共通納税システムの対象税目の拡大
・個人住民税の特別徴収税額通知の電子化

令和2年度税制改正のあらまし

連結納税制度の見直しなど大企業向けの改正とコロナ緊急対策がポイント

法人税関係

・オープンイノベーションに係る措置の創設
・大企業(中小企業者等以外の事業者)
・企業版ふるさと納税制度の見直し
・連結納税制度の見直しによるグループ通算制度への移行(令和4年4月1日以降開始事業年度より)
・子会社からの配当と子会社株式の譲渡を組み合わせた租税回避への対応
・交際費等の損金不算入制度の見直し
 資本金等の額100億円超の法人につき、「1人当たり5千円超の接待飲食費の50%相当額の損金算入」が全額損金不算入に

所得税関係

・寡婦(夫)控除、未婚のひとり親に対する所得控除の見直し
・国外居住親族の扶養控除の見直し(令和5年分所得税から)
・国外中古建物の不動産所得に係る損益通算の制限
・NISA制度の見直し(投資枠2階建)

資産税関係

・居住用財産の譲渡特例を適用した場合の住宅借入金等特別控除制度の適用制限
・所有者不明土地等の固定資産税に係る申告制度の新設

その他

・消費税申告期限延長制度の新設(法人税延長特例適用法人につき、届出書提出により期限1月延長可能に)

令和2年から適用される平成30年度の主な税制改正

・年末調整手続の電子化
・大法人の電子申告義務化
 資本金等の額1億円超の大法人→法人税、地方法人税、消費税等、法人住民税、法人事業税について、確定・中間・修正申告などの電子申告義務化(添付書類含む)

新型コロナウイルスに係る緊急措置

・申告・納付期限の延長
・納税の猶予制度
・その他緊急措置

令和元年度税制改正のあらまし

消費税引上げに伴う対応等と個人事業者に係る事業承継税制の創設がポイント

法人税関係

・イノベーション促進のための研究開発税制の見直し
・特定事業継続力強化設備等を取得等した場合の特別償却制度の創設
・みなし大企業の範囲の見直し
・組織再編税制の見直し

所得税関係

・住宅ローン控除の特例の創設
・空家を譲渡した場合の譲渡所得の特例の適用要件の見直し等
・NISA及びジュニアNISAの見直し(口座開設可能年齢20歳→18歳、一時出国の場合の特例措置)

資産税関係

・個人事業者の事業用資産に係る贈与税・相続税の納税猶予制度の創設
・小規模宅地等の特例の見直し
・配偶者居住権等の評価額の新設
・特別寄与料に係る課税
・民法改正に伴う相続人の年齢の引下げ
 相続税の未成年者控除の対象年齢及び(相続時精算課税、贈与税率特例等における)受贈者の年齢要件引下げ(20歳→18歳)

その他

・法人事業税の税率の改正等
・中小企業向け特例の適用停止措置(平成29年税制改正分)

平成30年度税制改正のあらまし

賃上げ・生産性向上のための税制措置と特例事業承継税制の創設がポイント

法人税関係

・所得拡大促進税制の見直し・改組
 所得拡大促進税制について、給与等支給額に関する要件が簡素化された上で、国内設備投資の要件が追加される措置が講じられ、「賃上げ・投資促進税制」に改組

・情報連携投資等促進税制(IoT投資促進税制)の創設
・賃上げにも設備投資にも積極的でない企業への対応
・法人税における収益認識時期等の明確化
・組織再編税制の見直し
・国際課税の見直し

所得税関係

・個人所得課税の見直し
 給与所得控除額(65万円→55万円など)、基礎控除額(38万円→48万円など)等いくつかの見直し

・青色申告特別控除の見直し(65万円→55万円、但し電子申告等の利用で65万円)
・年末調整手続きの電子化

資産税関係

・事業承継税制の特例の創設
・小規模住宅等の特例の見直し
・一般社団法人等に関する相続税の見直し
・相続税の申告書の添付書類の見直し

その他

・税務手続の電子化等の推進(大法人の電子申告義務化など)
・中小企業の設備投資を促進するための固定資産税の特例措置の創設
・国際観光旅客税の創設

平成29年度税制改正のあらまし

中小企業の「攻めの投資」と共働き世代の支援がポイント

法人税関係

・研究開発税制の見直し
・所得拡大促進税制の見直し
・中小企業経営強化税制の創設
・地域未来投資促進税制の創設
・組織再編税制の見直し
・役員給与税制の対象範囲の拡大(定期同額給与の範囲に「手取額が同額である定期給与」が追加される等)
・確定申告書の提出期限の延長の特例の見直し(改正前:1ヶ月→改正後4ヶ月)
・中小企業向け特例の適用対象法人の見直し

所得税関係

・配偶者控除・配偶者特別控除の見直し
・積立NISAの創設
・上場株式等の住民税の課税方式の手続の明確化

資産税関係

・相続税・贈与税の納税義務の見直し
 国外財産が対象外とされる要件:被相続人及び相続人等が相続開始前10年(改正前5年)以内のいずれの時においても国内に住所を有したことがないことにされた等

・取引相場のない株式等の評価方法の見直し
・広大地の評価方法の見直し
・事業承継税制の見直し
・相続財産の物納に充てることのできる財産の順位の見直し

その他

・居住用超高層建築物に係る固定資産税等の課税の見直し
・中小企業の生産性向上のための固定資産税の特例の拡充
・納税地の異動に係る届出書の提出先の見直し(異動後の納税地への税務署への届出不要に)

平成28年度税制改正のあらまし

法人実効税率20%台の実現と地域創生の推進がポイント

法人税関係

・法人税率の引下げ(23.9%→23.2%)
・地方法人税率の引上げ(4.4%→10.3%)
・繰越欠損金の利用制限と繰越期間の改正
・減価償却方法の見直し(建物付属設備及び構築物について、「定率法」廃止→「定額法」のみに)
・役員給与の損金不算入制度の改正
・地方創生応援税制「企業版ふるさと納税」の創設
・雇用促進税制の見直し

所得税関係

・医療費控除の特例の創設(「スイッチOTC医薬品」の導入)
・通勤手当の非課税限度額の引上げ

資産税関係

・空き家に係る譲渡所得の特別控除の特例の創設
・住宅の特定多世帯同居改修工事等に係る特例の創設

消費税関係

・消費税の改正(8%→10%)
・高額特定資産を取得した場合における消費税の中小企業者に対する特例措置の適用関係の見直し

その他

・法人事業税の税率引下げと外形標準課税の拡大等
・法人住民税の法人税割の税率引下げ
・新規の機械装置の投資に係る固定資産税の特例
・加算税制度の見直し
 更正予知前の過少申告加算税等の割合の引上げ(調査通知時以降+5%)
 無申告加算税等の加重措置(過去5年以内賦課あり→+10%)

・国税のクレジットカード納付制度の創設

平成27年度税制改正のあらまし

法人と子育て世代に重点を置く減税措置がポイント

法人税関係

・法人税率の引下げ(25.5%→23.9%)
・欠損金の繰越控除制度の見直し
・受取配当等の益金不算入制度の縮減
・試験研究費の税額控除(総額分)の見直し
・所得拡大促進税制の拡充
・地方拠点強化税制の創設

所得税関係

・NISAの拡充・ジュニアNISAの創設(年間100万円→年間120万円)
・住宅ローン控除等の適用制限の延長
・ふるさと納税の拡充(「ふるさと納税ワンストップ特例」の創設など)
・国外転出をする場合の課税所得等の特例の創設

資産税関係

・住宅取得資金に係る贈与税の非課税措置の拡充・延長
・結婚・子育て資金の一括贈与に係る贈与税の非課税措置の創設(1,000万円まで非課税)
・教育資金の一括贈与に係る贈与税の非課税措置の延長等

消費税関係

・消費税率10%への引上げ時期の確定等
・国境を越えた役務の提供に対する消費税の課税の見直し(「リバースチャージ方式」の導入)

その他

・法人事業税の外形標準課税の拡大
・税務関係書類に係るスキャナ保存制度の見直し

まとめ

以上です。長かった。。
こうしてみると、賃上げ、NISA、税務電子化、コロナなど、この10年で色々ありましたねー。
次の10年はどういう時代になるのでしょう??

【参考文献】
・「税制改正のあらまし」(公益財団法人 全国法人会総連合)
・「会社の税金実務必携」(清文社)

◾️本日の簿財とトレーニング【6】386日継続中

◾️簿記論【完全無欠の総まとめ TAC出版】「P61 減価償却定率法」
・取得原価Xの求め方
X(1ー定率法償却率)償却済年数=帳簿価額

◾️財務諸表論【つながる会計理論 ネットスクール】「Chapter9減価償却」音読
・自己金融効果を一言で(減価償却費相当額の取替資金の留保的効果)
・固定資産流動化を一言で(固定資産に投下した資金の回収による流動化)

◾️トレーニング
・腕立て50腹筋30逆立ち 朝ランニングと懸垂も

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