【シンプルに】従業員の横領行為に対する損害賠償請求権の計上時期

こんにちはだいサワーです^^
今回は、税務調査等でたまに出てくる従業員による横領行為が発覚した場合について取り上げます

従業員の横領行為によって会社が損害を受けることがあります
売上をフトコロに入れる、使い込みをするなど、様々なものがあります

税務調査においては、会社の所得が横領の影響によって少なくなっているため、問題となります
また、加えて重要なのは、修正申告や更正処理をすることとなった場合に、重加算税がかかるのかどうかというところです
これについては、次の有名な判例があるので、この判決の要旨について、ざくっとご紹介します

東京高裁平成21年2月18日判決
・最高裁平成21年7月10日第二小法廷決定により確定
・会社の経理部長が横領した事件

目次

不法行為による損失と損害賠償請求権の関係

不法行為による損害賠償請求権は、通常、損失が発生した時に請求権も発生し、確定する
よって、これらを同時に損金と益金に計上するのが原則である
※不法行為による損失の発生と損害賠償請求権の発生&確定は、いわば表裏の関係である

法人税法基本通達2−1−43(損害賠償金等の帰属時期)の趣旨

法人税法基本通達2-1-43において、損失の計上と損害賠償請求権の益金計上を切り離す運用を認めているのは、第三者の不法行為による損害賠償請求権については、その行使を期待することが困難な事例が往々にしてみられることに着目した趣旨である

損害賠償請求権の益金計上時期を不法行為に係る損失計上時期と切り離すか否かの判断基準

損害賠償請求権の実現可能性を客観的に認識し得るかの判断は、通常人を基準にして、損害賠償請求権の存在・内容を把握し得ず、権利行使が期待できないといえるような客観的な状況にあったか否かとの観点から行うべきである

隠蔽仮装行為の該当性判断

本件経理部長は、経理業務の責任者で、実務上の処理を任されていた者であり、かつ法人としても容易にその隠蔽・仮装行為を認識することができ、過少申告をしないように措置することが十分可能であったのであるから、経理部長の隠蔽、仮装行為を持って法人の行為と同視するのが相当である

まとめ

以上、判決の趣旨をお伝えししました
税務調査で横領行為が発覚すると、間違いなくこの話が出てきます

最後の「隠蔽仮装行為の該当性判断」は特に重要なので秒で思い出せるようにしておきたいところです

本日は以上となります^^
最後までお読みいただき、ありがとうございましたm(_ _)m

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